君のとなりで恋をします。─下─
顔を上げると、私を庇うように立つ柊吾がいて…
「俺、二股なんてかけられてません。」
部員たちに向かって、堂々とそう言いきった柊吾。
「香純ちゃんがそんな子じゃないって…
ずっと一緒にやってきたみんななら、分かってるだろ?」
「そうっすよ!
成宮がそんな器用なこと、出来るわけないじゃないですか!」
すかさず、キャプテンとまっつんが柊吾の言葉に同調する。
キャプテン…まっつん…
「…私、本当に二股なんてしてません!
市原くんとも…ほんの十分くらい、世間話をしていただけなんです。」
みんなに守られるだけじゃなく、今度は自分の言葉で誤解を解きたい。
みんなならきっと信じてくれる。
またバスケ部の仲間として受け入れてくれる。
しかし、そんな願いはすぐに砕けて…