君のとなりで恋をします。─下─
部室に置いていた物はまた今度、誰もいない時間に取りに来よう。
そんなことを思いながら体育館の外に出ると、見慣れた人達がそこに立っていた。
「え…3人とも、何やってんの?」
仁王立ちでこちらを見据える桜河と、手を振る葵斗、遠慮気味にこちらを振り返る咲花の姿。
「香純のこと、どうしても心配になっちゃって…
体育館の前で待ってようと思って来てみたら、もう桜ちゃんがいて……」
咲花…
「右に同じです。」
葵斗…
「お前が、部活に行くって聞かねぇから…」
桜河……
みんなの優しさに熱くなる目頭。
滲む視界に、慌てて上を向く。