君のとなりで恋をします。─下─
「…行かねぇ。」
「こら、またサボる気?」
“行かない”って…
よくもそんな堂々と言えたな。
「水泳部はもう代替わりしてるんだし、最後の一年なんだから…」
「うるせぇ。
…今日は何言われようが、お前といる。」
こちらと目を合わせることもなく、ただまっすぐ前を向いてそう告げた桜河。
…その横顔に、不覚にもちょっとかっこいいとか思ってしまった。
私のこと…心配してくれてるんだよね…?
いやいや…でも、だからって…
私が声を発しようとすると、桜河は私の首に腕を回してそのまま歩き出す。