君のとなりで恋をします。─下─
「はっ。桜河、怒られてやんの。
ガキだな〜。」
「葵ちゃんは、桜ちゃんよりもっとガキだよ。」
「え、咲花!?」
珍しく辛辣な咲花に、ショックを隠せない様子の葵斗。
口をあんぐりと開けて、瞬きはやたら多い。
その葵斗の表情がなんだかおかしくて…私は思わず笑ってしまった。
「香純〜。笑い事じゃねぇよ!」
「あははっ。ごめんごめん(笑)」
みんなが私を元気づけようとしてくれているのが、ひしひしと伝わる。
笑顔でいよう。
落ち込むなんて、私らしくない。
みんなにこれ以上、心配かけられない。
「…あ、そうだ。咲花。
今日って、部活?」
「うん。部活だよ。…どうして?」
「家庭部の見学に行きたくて。」
「あ、そっか…部活…」
私の言葉に、咲花は小さく言う。
うちの高校は、基本部活動は全員強制参加。
2週間に1度の数十分間しか活動していないような部活も用意されていて…
帰宅部希望の人は、基本的にそのような部に所属するシステム。