君のとなりで恋をします。─下─
「そういえば…中学の水泳の授業でさ、いつも一人だけ水中ウォーキングしてたよな!」
葵斗の言葉に、私も自虐ネタで乗っかる。
「そうそう!
私、体育はいつも5だったのに、水泳の時だけめちゃくちゃ成績悪いの!(笑)」
「私なんて、いつも良くて3だったよ?(笑)」
そこからうまく中学の頃の思い出話に流せて、マネージャーの話は終わった。
よかった…話を逸らせて…
正直少し気まずかったし、私にとってもあの話は気分の良い話題ではない。
もしかして、桜河…
わざと話が逸れるように…?
なんて思ったけど、肝心の本人はもうお弁当に夢中で、何を考えているのか分からない。
まあどちらにせよ、助かったのは事実だから…
私は心の中で桜河にお礼を言った。