君のとなりで恋をします。─下─
「…あの、どういう事ですか?」
未だにこの状況をよくわかっていない市原くんがそう尋ねる。
「市原くん。私ね…
バスケ部のマネージャー、やめたんだ。」
「え!?なんで……」
「色々あって…」
「色々って…!?
成宮さん、あんなにバスケ部のこと…!」
私に詰め寄る彼を、咲花は押し返す。
「香純に近寄らないで!
お願いだから今すぐ帰ってよ!!」
「ちょっ…咲花──────」
どうしよう…
咲花、相当怒ってる…。
咲花を止めようと彼女の方に手を伸ばしたその時…
「────…何の騒ぎ?」
背後から聞こえたその声に振り返った。
あー…最悪だ。
「柊ちゃん…」
バスケ部のジャージを着た柊吾と、その後ろから顔をのぞかせる桃奈さん。
あの騒動の当事者3人がその場に揃ったことによって、周りはより一層ざわつき始める。