君のとなりで恋をします。─下─
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ほとんど同じタイミングで学校を出て、同じ電車で帰ったため、必然的に柊吾と桃奈さんと共にバス停に向かう。
咲花の手はずっと私の手を強く握っていて、まるで柊吾たちから距離をとるように足早に私の腕を引いた。
駅の構内にあるバス停に着くと、そこには既に数人の人がいて…
その中の一人に、見慣れた高身長の男を見つける。
「…あ、桜ちゃん。」
咲花の声に、桜河は耳に突っ込んでいたイヤホンを片方だけ外してこちらを見た。
「おー。」
「桜ちゃんも今帰り?」
「あぁ。1本前のやつ、乗れなかった。」
そう言った桜河の肩は上がっていて…かなり寒そう。
もうすぐ12月だもんな…
夜はさすがにもうかなり肌寒い。