君のとなりで恋をします。─下─
桜河side
香純と咲花の姿が見えなくなったことを確認して、俺は柊吾とあの女の方に向き直った。
「おい、お前。」
香純が戻ってくる前に話を終わらせるために、すぐに本題に移ることにした。
「…また香純に何かしたか?」
桃…ナントカ、とかいう女に尋ねる。
「…いや、桃奈じゃなくて────」
女を庇おうとする柊吾の言葉を遮る。
「柊吾、黙ってろ。
───……お前に聞いてんだよ、ブス。」
俺の冷たい声に、女はびくりと肩を揺らす。
「え、私…?ひど〜い……グスッ……」
うわ、うぜぇ。
涙なんて出てねぇじゃねぇかよ、クソが。