君のとなりで恋をします。─下─
「私、香純さんと仲良くしたいだけなのに…
なぜか敵視されちゃって……」
〝悪いことなんて何もしてないのに〟と嘘泣きをする女に、ひどく苛立った。
は?〝何もしてない〟だと?
お前のせいで、どれだけ香純が……
殴り倒してやりたい衝動を、必死に抑える。
落ち着け。
こんな事のためにわざわざ香純を遠ざけたわけではない。
俺は、ずっと引っかかっていたことを確かめるために今ここにいるんだ。
「……あの掲示板の張り紙は?」
俺はその言葉に、一瞬だけ体をこわばらせた女の様子を見逃さなかった。
「知りませんよ。そんなこと。」
不自然なほどこちらを見つめる女に、俺はさらに疑いの目を強めた。