君のとなりで恋をします。─下─
「柊吾も、本当は分かってんじゃねぇの?」
「え…?」
「お前と香純のあの写真…
盗める人間なんて限られてるだろ。」
柊吾も香純も、SNSに写真を投稿したりはしない。
そもそもあの二人は交際を隠していたから、あんな写真を不特定多数に晒すことがまず考えられない。
だからあの写真を入手できるのは、香純か柊吾のスマホを本人にバレずに開くチャンスがある人間。
「そんなの…私じゃなくても写真を盗める人なんてたくさんいる!
バスケ部の部員やクラスメイトにだって、チャンスはいくらでもあるでしょ。
…特に部活の時はスマホはみんな部室に置いてるし…
〝忘れ物をした〟とでも言えば、練習中に部室に戻っても誰も怪しまない。」
まるで誰かに罪をなすりつけようとするように、急に饒舌になる女。
…まあ、そんな簡単には吐かないよな。
ましてや柊吾の前でなんて、絶対に…