君のとなりで恋をします。─下─










「もう1枚の写真は?」










再び俺がカマをかけると、女の顔が一瞬だけ強ばった。










「あんな写真、あらかじめカメラ構えてないと撮れねぇだろ。」






「…たしかに。

本当に二人が抱き合っていなかったとしたら、尚更…」










俺の言葉に、柊吾が便乗する。



香純が言うように…あの写真が、ただ子供を避けようと抱き寄せられた時のものだとしたら…

その一コマを写真に収めることなんて、その場でずっとカメラを構えている人間にしか不可能だ。









「そもそも、普通男女が抱き合ってたくらいで写真なんて撮らねぇよ。」










仮にそれが自分の知っている人間だとして…

例えばそれが〝浮気の証拠〟になるようなものだとしたら、話は別だが。










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