君のとなりで恋をします。─下─
「…もしかして、こんな時間に一人で来た?」
「え…?うん。」
私が首を縦に振ると、柊吾は呆れたようにため息を吐く。
「危ないから送るよ。」
「え!いいよ、そんな。
1人で帰れるよ!」
私は必死に断った。
もう彼女でもないのに、送ってもらうなんて申し訳ないと思ったし…
そしてなによりも、気まずかったから。
「送らせてよ。」
「いや─────…」
目線をあげると、彼と目が合う。
優しく笑う彼の瞳の奥が、どこか悲しそうで…
「あ…じゃあ、お願いします…。」
気づいたら私はそんなふうに答えていた。