君のとなりで恋をします。─下─
「…そういえば……
キャプテンになったんだってね。」
紅羽学園バスケ部は、決勝戦で聖陵と対戦することも無く、2回戦で敗退したらしい。
そして先輩たちは引退。
新チームのキャプテンとして任命されたのが、柊吾だったとか。
最近、前キャプテンと廊下ですれ違った時に教えてもらった。
「うん。チームをまとめるのって大変でさ…
キャプテンのこと、改めて尊敬した。」
「柊吾ならきっと大丈夫だよ。」
「うん…ありがとう。」
笑ってるけど、どこか元気がない柊吾の横顔。
〝何かあった?〟
出かかったその言葉をグッと飲み込む。
どこまで踏み込んでいいのか分からなかった。
どこまでが〝幼なじみ〟の範疇なのか…
もう私には分からなかった。