君のとなりで恋をします。─下─
「あんたが不機嫌だとつまんないじゃん。」
自分が買ってきたお菓子を開けながら、頬を膨らませる香純。
可愛くて、愛しくてしょうがない。
それと同時に、いつもこうして彼女に強く当たってしまう自分に腹が立つ。
「───…珍しいな。柊吾と二人でいるの。」
「え…?」
気づいたらそんなことを口走っていた。
今まで散々、柊吾と香純のことに気を使ってきたくせに…
香純が今、柊吾の話題を振られることを何よりも嫌がると知っているのに…
「あー…コンビニでたまたま会ってさ…
〝暗い中で一人は危ないから〟って家まで送ってくれたの。」
「へー。」
俺はそんな風に素っ気なく、まるで興味が無いように装うけど…
彼女のその言葉に、安心してしまった自分がいる。