君のとなりで恋をします。─下─










もし仮に、柊吾と香純が二人で意図的に会っていたとして…

俺に何の関係があるんだよ。










「…何?もしかして心配してくれてた?

私が柊吾と会ったら、また傷つくんじゃないかって…?」







「ちげーよ。」










香純の心配なんかじゃねぇ。

こんなの、完全にただの嫉妬だ。










「もう、素直じゃないな!」







楽しそうに笑いながら、俺の髪をわしゃわしゃと撫でる香純。









「おいこら、やめろ。」






「照れちゃって〜。

可愛いでちゅねー!桜たんは!」










しつこく俺の頭を撫で回す彼女の腕を払い除ける。



…ったく。子ども扱いしやがって…



メチャクチャにされた前髪をかきあげると、優しくこちらを見つめる彼女と目が合う。

あまりにも綺麗なその笑顔に、俺は思わず息を飲んだ。












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