君のとなりで恋をします。─下─
「優しいね。桜河は。」
「は…?」
優しい…?
あほかよ、こいつ。
俺のどこが…
「いつもいつも、私が落ち込んだ時は誰よりも早く気づいてくれるでしょ?」
…当たり前だろ。
いつもお前のことしか見てねぇんだから。
「それに…
私が嫌な思いした時に、いつも代わりに怒ってくれるのも桜河だよね。」
それは…お前が泣かされると腹が立つから。
「私ね、辛いこととか嫌なこととか…
なぜかあんたには話せちゃうんだよね。
…それって、桜河が誰よりも人の痛みを分かる人だからだと思うんだよ。」
やめろ…。
俺はその相談役のポジションを〝おいしい〟とか思ってるクソ野郎なんだよ。