君のとなりで恋をします。─下─
「あ、柊吾。
また同じクラスだね。」
「うん。
また1年間よろしく。」
あの別れからおよそ5ヶ月の月日が経ち、私と柊吾は徐々に元の穏やかな関係に戻りつつある。
しかし、葵斗も咲花も、桜河も柊吾も…
そして私も…
みんな確実に何かが変わった。
以前のような〝ただの幼馴染み5人組〟ではなくなっていた。
「桜ちゃん、教室にカバン置きに行こう!」
可愛らしく桜河のブレザーの袖口を引く咲花に、桜河はこちらをちらりと見る。
心配そうな顔をする彼に、私は笑って手を振って見せた。
「始業式、ちゃんと出なよー?
…葵斗、私達も教室行こうか。」
「おーう。だな。
咲花ぁ!帰りは一緒に帰ろうなぁ!」
手前の教室に入っていく二人の後ろ姿を見送りながら、私達も自分たちの教室へと向かった。