君のとなりで恋をします。─下─
「成宮…」
遠慮気味に私の名前を呼ぶ声に顔を上げると、そこにはまっつんがいて…
「ちょっといい?話があるんだけど…」
突然改まった態度を見せる彼に、私は思わず首を傾げる。
「なになに?…どうしたの?」
「いや…ここではちょっと…」
柊吾の方をチラリと気にするように見るまっつん。
…柊吾に聞かれたくない話?
何の話かは全く想像できないけど…
まっつん、何か明らかに元気ないしな…
「場所、移そうか。…中庭とかでいい?」
「うん。」
「葵斗、咲花によろしくねー。」
「おーう!また明日!」
葵斗に別れを告げて、私とまっつんは二人で人気の少ない中庭に向かった。