君のとなりで恋をします。─下─
「桜河、授業サボってないでしょうね?」
私が軽く睨むと、桜河は今度は私の頭にチョップを食らわす。
「サボってねぇよ。アホ。
…お前、次何の授業?」
「調理実習だよ。」
「ふーん。何作んの?」
「ブラウニー。」
私が答えると、桜河は私と同じ目線になるくらいまで腰を屈めて顔を近づける。
「…な、何?」
「……くれよ。」
「え…?
…あんた、甘いもの好きじゃないじゃん…」
急に近くなったその距離に何だか少し照れくさくて、私は目を逸らしてそう言った。