君のとなりで恋をします。─下─
「あ、すみませ…────
…───え、咲花!?」
「っ……」
…なんで…。
今だけは会いたくなかった…。
…香純。
「…泣いてるの?」
心配そうにこちらを見る彼女から顔を隠すように避ける。
とりあえずこの場を離れなくちゃ…
…そう思うのに、香純は私の手首を掴んで離してくれない。
「咲花、どうしたの…?
誰かに何かされた?」
香純はきっと、本気で私のことを心配してくれてる。
香純は、自分以外の誰かのために本気で怒れる人だから。
私はそんな香純が昔から大好きで…
ずっとずっと私の憧れで…
…でも……