君のとなりで恋をします。─下─
「はぁ…どうしたもんか。」
「なんでもいいけど、早く仲直りしろよな。
いつまでも2人がそんなだと、俺が咲花と登校できねぇじゃん。」
そんなことを言い出す葵斗を軽く睨んでやる。
まったく…葵斗の頭の中には、咲花のことしかないのだろうか。
「…もうちょっと真剣に相談に乗ってよ。」
「えー。
女子同士のケンカとか俺にはサッパリわかんねぇもん。」
「…ケンカじゃないっつーの。」
…いや、わかんないけど。
少なくとも私は、咲花とケンカした覚えはこれっぽっちもない。
「まあいいや。
早く仲直りしろよー。」
それだけ言い残してサッカー部連中の群れへと帰っていく葵斗を見送る。
あーあ。
このことを相談できるの、葵斗くらいしかいないのに。
いつも相談に乗ってくれる桜河は、なぜかこの話題は避けようとするし…
そう考えると、桜河も最近なんかおかしいんだよなー…