君のとなりで恋をします。─下─









少しでも力になりたかった。


バスケ部元マネージャーとして…

柊吾の幼馴染みとして。







…だけど……











「悩み?…ないよ、そんなの。」









返ってきたのはその一言と、引きつった作り笑いだけだった。









「しゅう────……」





「─────…ごめん、香純。

そろそろ授業始まるから、自分の席に戻るね。」






「え…あ、うん…。」










廊下側の自分の席へと戻っていく柊吾を、私はじっと見つめる。



〝悩みはない〟なんて…嘘つき。


去っていくその広い背中は、何だかいつもより小さく見えた。












< 202 / 495 >

この作品をシェア

pagetop