君のとなりで恋をします。─下─
少しでも力になりたかった。
バスケ部元マネージャーとして…
柊吾の幼馴染みとして。
…だけど……
「悩み?…ないよ、そんなの。」
返ってきたのはその一言と、引きつった作り笑いだけだった。
「しゅう────……」
「─────…ごめん、香純。
そろそろ授業始まるから、自分の席に戻るね。」
「え…あ、うん…。」
廊下側の自分の席へと戻っていく柊吾を、私はじっと見つめる。
〝悩みはない〟なんて…嘘つき。
去っていくその広い背中は、何だかいつもより小さく見えた。