君のとなりで恋をします。─下─
「…避けてごめんね。
自分の気持ちが落ち着くまでは、香純と話せば無駄に傷つけちゃう気がして…」
「そんな…
私の方こそ、咲花のことをちゃんとわかってなかった。」
親友だとかいいながら…
咲花が誰を想っていたのかも知らずに。
きっと今まで無神経に、たくさんたくさん傷つけてたんだろうな…
「も〜う!そんな悲しい顔しないでよ!」
咲花はブランコから立ち上がると、私の前にしゃがみこんでぎゅっと手を握る。
「…ねぇ、香純。
香純にとっての恋愛感情は、今まで柊ちゃんに対するものだけだったんだろうけど…
想いの形って、きっと一つだけじゃないんだよ。」
「え…?」
「だって柊ちゃんと桜ちゃんは全く別の人間なんだから…
同じ気持ちを抱くなんておかしいよ。」