君のとなりで恋をします。─下─
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咲花と公園で別れた頃には、辺りはもうすっかり暗くなっていた。
私は影山家の玄関前にしゃがみこんで、綺麗な星空を見上げる。
やっぱり、この町では星が綺麗に見える。
特にあの山の上から見る星空は最高なんだよね。
中学生の頃は、流星群が発生する度にみんなで自転車を漕いで行ったな…。
帰り道の下り坂で、葵斗が〝ブレーキが壊れた〟と言い始めた時には本当に焦った。
まぁ、結局ただの勘違いだったんだけど。
懐かしい思い出に耽けっていると、ザッという足音とともに人の気配を感じる。
「────…おい、そこの不審者。
他人の家の前で何やってんだよ。」
その聞きなれた憎まれ口に、私はゆっくりと振り返った。