君のとなりで恋をします。─下─
「私ね、柊吾しか好きになったことないの。
だから私の恋愛といえば、柊吾との思い出しかなくてさ…」
「…あぁ、知ってる。」
そう切り出した私に、桜河はどこか寂しそうな表情で俯く。
「だからさ…
今あんたに感じてる気持ちが何なのかも…
柊吾の事を忘れられたのかどうかも、正直よくわからない。」
私の言葉に、桜河の表情は曇っていく。
…違う。そうじゃない。
私が本当に伝えたいのは、こんなことじゃない。
桜河を傷つけるために、今までずっとここで待ってたわけじゃないのに
私が今桜河に伝えたいのは───…