君のとなりで恋をします。─下─
「───…私、桜河のそばにいたい。」
桜河の目をじっと見つめて言った。
桜河への恋愛感情とか、柊吾への未練とかそんなものは一切無しにして…
桜河のそばにいたい。
桜河のそばで笑っていたい。
これが私の本音だった。
「は…?」
目を見開いてこちらを見る桜河に、私は言葉を続ける。
「…ほんと、自分勝手だよね。
たぶん私、まだ柊吾とのことを完全にゼロに出来たわけじゃないの…
…こんなの、桜河のこと利用してるだけだって思われるかもしれないけど───…」
そこで私の言葉は途切れる。
……桜河に強く腕を引かれたから…。
そしてそのまま彼のたくましい腕に抱き締められた。
片方の手は私の腕を掴んだまま。
そしてもう片方は、私の頭に添えられていて…