君のとなりで恋をします。─下─
桜河の腕の力強さとか、鼓動の速さとか、温もりとか…
柊吾のそれとは、全く別物で……
だけどそのすべてが、なんだか心地よかった。
「私も桜河のこと、絶対幸せにするからね。」
「…うるせぇ、あほ。」
「えー、なんでよ!
…もしかして照れてるとか?」
「…っせぇ。悪ぃかよ。」
「何それ、可愛い…」
「シバくぞ。」
桜河との関係を変えるのは、正直怖かった。
私は一度、柊吾の時に失敗してるし…
だけど、思ってしまったんだ。
〝桜河の彼女になってみたい〟って…
…今、勇気を出してみて良かったと思う。
柊吾のこととか、桃奈さんのこととか…
辛いことも苦しいこともたくさんあるけど…
桜河といれば、なんだかすべてが上手くいくような気がしたんだ。