君のとなりで恋をします。─下─
「それにさ、今まで頑張ってきたことを盛大に発揮できる晴れ舞台だよ?
…それってなんか、ワクワクしない?」
私がニッと笑ってみせると、桜河も笑った。
さっきまでのどこか曇った表情は、もうどこにも見当たらなくて…
桜河はぎこちない手つきで私を抱き寄せ、そのままギュッと包み込む。
「…やっぱり、すげぇ好きだわ。」
少し掠れたその声に、私の鼓動は速まる。
「ふはっ…
なんか…今日は随分甘えただね?
かーわいー。」
「うるせぇ。」
…この時間が幸せだと思った。
私がこの人を支えてあげたいと思った。
私…もしかしたら自分が思っているよりもずっと、桜河の事が好きなのかもしれない。
ドクンドクンと脈打つ桜河の鼓動を聞きながら、私もそっと桜河の背中に手を回した。