君のとなりで恋をします。─下─
「…てゆーか、この人200m平泳ぎで優勝してた人じゃない!?」
「それだけじゃないよ。
さっきここに来るまでに、午前中の予選の結果が張り出されてたけど…
たぶん、予選1位通過もこの人。」
咲花と柊吾の言葉に、葵斗は頭を抱える。
「うっそだろ!?
まじかよ!無理ゲーじゃん!」
「───無理じゃない!」
葵斗の言葉に、私は思わず大きな声で言い返す。
突然大きな声を出す私に、驚いたようにこちらを見る3人。
だけど私は、桜河のことしか見ていなかった。
絶対に無理なんかじゃない。
桜河もきっとまだ、諦めていない。
だって、最後の100mは…
……桜河が一番得意な〝自由形〟だから…