君のとなりで恋をします。─下─








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咲花達が会場からそのまま帰宅していく中で、私は1人学校に来ていた。


シンシンと降りしきる雨の中で、コンビニで買ったビニール傘を片手に待つ。





あれからまだ一度も桜河とは話せていない。



いち早く桜河の顔が見たくて…

〝優勝おめでとう〟って言いたくて…






ミーティングを行うために一度学校に戻った水泳部を追いかけて、私も学校に来た。





しばらく校門前で待つと、段々とにぎやかな声が聞こえてくる。









「うっわー!雨やっば!」







「俺、今は雨とかどうでもいいわ!!

まじで興奮収まんねぇ!」






「俺らが全国大会とか、まじで夢みてぇだよな!」









ミーティングが終了したのか、わらわらと水泳部のジャージを着た男たちが出てくる。




だけどその中には、桜河の姿は見当たらなくて…

あんだけ身体も態度もデカかったら、もっと目立つはずなのにな…





どこにいるんだろうと不思議に思っていると、1人の男の子が私に話しかける。










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