君のとなりで恋をします。─下─
「あっ、成宮さんじゃん。
…なになに?影山のこと待ってんの?」
私と同じクラスの水泳部の男の子。
「うん。そうなの。
桜河、どこにいるか知らない?」
「まだプールにいると思うよ。
たぶん、あいつもまだ興奮が収まんないんじゃねぇの?」
「行ってみなよ。」と言ってくれる彼に、私は丁寧にお礼を言った。
…そうだよね。
観てただけの私だって、未だに興奮が冷めやらないもん。
きっと実際に泳いだ桜河はもっと…
私はドキドキうるさい胸を押さえながら、遠慮気味に室内プールの扉を開けた。