君のとなりで恋をします。─下─
「わざわざまた水着に着替えて…
一人でなにしてたの?」
試合で疲れてるのに、まさか練習を…?
そう思ったけど、彼からの返答は全く違うものだった。
「別に。
ただ、まだ水の中にいたかっただけ。」
それだけ言うと彼は、もう一度全身の力を抜いて水面に浮く。
「いいなー。私もプール入りたい!」
「足だけにしとけよ。
お前、カナヅチなんだから。」
「わかってるー。」
私はすぐに靴下を脱いで、プールサイドに腰かけた。
そしてゆっくりと足をプールにつける。
ひんやりと冷たい水が、なんだか少しくすぐったい。