君のとなりで恋をします。─下─








こちらを見上げる真っ直ぐな瞳。

髪の毛から滴り落ちる水滴。








彼の濡れた頬に私の手がそっと触れる。


私が笑うと、彼も微笑む。










数秒見つめ合うと、彼の右手が私の後頭部に回って…

それを合図に、私もゆっくりと唇を彼に寄せた。









雨音が響く静かな夜。

薄暗い屋内プールで、私と桜河は初めてのキスをした。





初めて触れた彼の唇は、少しだけ冷たかった。











< 248 / 495 >

この作品をシェア

pagetop