君のとなりで恋をします。─下─
初めて聞いた香純の本音。
そんなの…気づきもしなかった。
だって、彼女はいつだって笑っていたから。
他人に頼らない香純。
自分の不満や悲しみも素直に表せない香純。
そんな彼女の異変に誰よりも早く気づき、そばに居るのは、いつでも桜河で…
…俺は、いつだって桜河には勝てない。
それが本当に悔しくて…
いつも桜河が羨ましくて…妬ましい。
「…あの女、やっぱり部活中も柊吾ベッタリ引っ付いてんの?」
「んー、そこまでじゃないけど…
やっぱりいい気はしないよね。
…それに…桃奈さんが入部してから、部の雰囲気が前とは少し変わった気がする…」
「ふーん。……泣く?」
「泣かないし。」