君のとなりで恋をします。─下─
市原くん
少しずつ暑さも消え、肌寒くなってきた今日この頃。
午前の練習を終えて制服に着替えると、他の部員たちとは遅れて体育館を出る。
我らが紅羽学園の最寄り駅の前にそびえ立つ大きな時計。
その下に立つ一際背の高い人物の元に、私は駆け寄った。
「ごめんね、市原くん!
お待たせ!」
「いや、全然っすよ!
来てくれてありがとうございます。」
バスケ名門の聖陵高校の2年生エースである市原哲平(イチハラ テッペイ)。
高校一年生でU18に選出されるような天才が、なぜこんな所にいるのかと言うと…
それは遡ること数日前。