君のとなりで恋をします。─下─
「あっぶなー……
間一髪だったわ…。」
「はぁ…まじで焦った。
おーい、出てきていいぞー。」
外から聞こえる葵斗とまっつんの会話に、私も布団から出ようと動き始める。
やっと外に出られる…
私はそっと彼の胸元を押して距離をとる。
……だけど…………
「…えっ?」
緩やかに肩に回された彼の腕が、再び私を力強く引き寄せた。
「…香純。」
囁くような切ない彼の声。
少しだけ汗ばんだ彼の肌が私の頬に触れて、より一層その距離の近さを実感させられる。
うるさいほどに鳴り響くこの心音は、きっと私だけのものではない。