君のとなりで恋をします。─下─
「今から行くの、金閣寺だっけ?
どの電車に乗ればいいんだ?」
咲花が眺めるガイドブックを横から覗き込みながら葵斗は言う。
「北大路駅?に行かないとだから…
あ、今ちょうど電車来たよ。」
「おぉ!ラッキー!」
電車に駆け寄る葵斗に、私達もついて行く。
このままみんなで遊んで、はしゃいで…
何事も無かったかのように過ごせば、きっとすぐに一昨日の夜のことなんて忘れられる。
そもそも、柊吾の好きな人が私だなんて、ただの自惚れかもしれないし…
きっとすぐに元通りになる。
このまま誰にも何も伝えずに、そっとしておこう。そうすれば…