君のとなりで恋をします。─下─
「ふー…さすがに食べすぎたかな。
どうする?少し歩く?」
「あ…俺まだじいちゃん達の土産何も買ってなかった。」
「あー、私もまだお土産とか買ってない。
あっちの方とか結構お店があったよね。」
「行ってみるか。」
私たちは二人並んで京都の街を歩く。
私の右手はしっかりと彼の左手と繋がれている。
ぎこちなく私の手を包み込むゴツゴツと骨張った大きな手とか、私より半歩後ろで歩幅を合わせてくれるところとか…
そのすべてが心地良かった。
桜河と過ごすこの何気ない時間が、私の心にあった重い何かを少しずつ取り除いていくようだった。