君のとなりで恋をします。─下─
「…かわいい。」
私が足を止めたのはガラス細工のお店。
淡いピンク色の丸いガラス細工の中に、真っ白なかすみ草が包まれたストラップ。
私の一番好きな花。
「かすみ草?」
突然足を止めた私に、桜河は私の視線の先にあるものを覗き込む。
「へぇ、意外。
あんた、花の名前とか知ってるんだね。」
私が花の話しても、いつも全く興味なんて示さないくせに。
「かすみ草くらい知ってる。
…お前の花だろ?」
「へっ?」
突然そんなことを言う桜河に、私は思わず素っ頓狂な声をあげる。
待って待って…
桜河ってそんなキザなこと言うキャラだっけ!?
口をあんぐりと開ける私に、桜河は少しだけ不服そうな顔をする。