君のとなりで恋をします。─下─
「…なんだよ。お前が言ったんだろ。
〝桜は桜河の花だ〟って。」
「あー…言ったかも…」
「だったら、かすみ草は香純の花だろ。」
私が言ったのはたぶん、桜河の誕生花が桜だって話だったのだろうけど…
私の誕生花、かすみ草じゃないし…
そう思ったけど、さっきから桜河の横顔がどこか恥ずかしそうで…
それがすごく可愛くて、そんなことはどうでもいいかなんて思える。
「ふっ……ふふっ…」
「おいこら、笑うんじゃねぇ。」
「ごめんごめん。(笑)
…でも、なんか嬉しいな。
私、かすみ草が一番好きなんだ。」
「あっそ。」
プイッと背けた顔が、少し赤い。
そんなところも可愛いとか、愛おしいとか思えてしまったんだ。