君のとなりで恋をします。─下─
「香純。…手、出して。」
「ん?」
突然そう言う桜河に従うと、差し出した手のひらに小さな紙袋が乗せられた。
私はその紙袋をそっと開けてみる。
「これ…」
袋の中から出てきたのは、先程立ち寄った店で見たあのストラップ。
かすみ草のガラス細工だった。
こんなの…いつの間に?
「…くれるの?」
「あぁ。」
ぶっきらぼうにそう言う桜河にお礼を言って、早速それをカバンに付けた。
淡いピンク色のガラス玉と華奢で可愛らしいチャームが、揺れる度に光に反射して…
…綺麗……。
一気に可愛くなったカバンを満足気に眺める私に、桜河は再び呟く。