君のとなりで恋をします。─下─
葵斗と咲花
修学旅行を無事に終え、私たちはただ今テスト期間真っ只中。
高校3年生の夏。
そろそろ自分の進路に向かって本格的に勉強も頑張らないと、とは思うのだけど…
「さーなっ!
今日桜河や葵斗と一緒に勉強するんだけど、咲花も来るでしょ?」
水泳部の桜河は全国大会前ということもあって、さすがに練習が休みにはならないらしいけど…
それでも、今日は一時間ほど軽く泳いだら練習終了とのこと。
だから私と葵斗は教室で桜河の部活を待って、勉強を教えてもらうことになっていた。
…だけど……
「あー…えっと…
私、今日は本屋さんに寄ろうと思ってて…
…だから、ごめんね。」
私の誘いをニッコリと作り笑いで断り、そのまま去っていく咲花の後ろ姿を見送る。
いつもの咲花なら、そんな理由で私の誘いを断ったりなんかしないのに…