君のとなりで恋をします。─下─
修学旅行から帰ってきてから…
いや、修学旅行の最終日辺りから咲花の様子がおかしい。
話しかけても上の空だったり、こうして私たちを避けたり…
「桜河ー…どうしよう。
私、咲花に何かしちゃったかな?」
修学旅行の三日目、私が勝手に桜河を連れて電車を飛び降りたことに怒ってる?
…たしかに、あれは怒られても仕方がないかもしれない。
我ながらかなり自分勝手な行動だったと思うし…
泣きつく私の頭を桜河は優しく撫でる。
「いや、お前じゃねぇよ。
…どう考えたって、アイツだろ。」
桜河が顎でクイッと指したのは、机に突っ伏せる葵斗の方。
たしかに葵斗も、修学旅行の辺りから少し元気がないような気がする。