君のとなりで恋をします。─下─
虚しくも宙で止まりそのまま静かに下ろされる私の手を見て、桜河は葵斗を軽く睨む。
「おい、俺らに当たんな。」
「うるせぇバーカ!」
葵斗も負けじと桜河を睨んだ。
「ちょっと、ストップ。
こんな所で喧嘩しないでよ。」
ここはお昼休みの教室。
ザワザワと賑わうクラスメイトたちの声にかき消されたおかけで、幸い注目は集めていないけど…
でも、中には数名私たちの異変に気づき、こちらをチラチラと伺う人もいる。
何とかしようと仲裁に入った私だけど、それは結果的に火に油を注いだだけになったしまう。