君のとなりで恋をします。─下─
たしかに葵斗の言い分はただの八つ当たりでしかないけど…
でもたしかに勝手な行動をした私も悪かったし、慰めるくらいはしてあげよう。
「葵斗、ジュース奢ってあげる。
失恋祝いで乾杯しよう。」
ポンと方に置いたその手を、葵斗は払い除けて再び怒る。
「おい、勝手に失恋って決めつけるなよ!」
「え?失恋したんじゃないの?」
「まだしてねーよ!
…断られるのが怖かったから、すぐはぐらかしたんだけど…
…それからずっと、咲花はあんな感じで…」
徐々に小さくなっていくその声は、あまりにも弱々しくて…
あー……さすがに可哀想になってくる。
葵斗がどれほど咲花を好きかなんて、見ていればすぐにわかること。
そんな大好きな咲花に、あんな風に避けられ続けたらツライよね。
大好きな幼なじみたちのために、
…ここは私が一肌脱ぐしかない。