君のとなりで恋をします。─下─
「桜河、葵斗。
今日の放課後の勉強会、私パスで!
今日は咲花と帰る!」
「香純〜…頼む!
俺、このまま咲花と話せなくなるのはマジで辛すぎるんだよ!」
「うん!任せて!」
半泣きで私を神のように拝める葵斗に、私は親指を立てる。
「…おい。」
そんな私の後頭部にチョップを食らわすのは、もちろん……
桜河しかいないよね。
「ちょっと桜河っ!?」
「──…お前、テストやばいんじゃねーの?」
〝他人のことよりまず自分の心配をしろよ〟と、珍しくごもっともな事を言う桜河。
たしかに、テストはやばい。
もう3年の夏だし、本格的に進路に向けて頑張らないといけないのだけど…
でも……