君のとなりで恋をします。─下─
『まさか出てくれるなんて思わなかった…
ありがとうございます!』
「そりゃあ、出るよ(笑)」
私を何だと思ってるんだ。
そんなに冷徹な人間じゃないよ?
「…市原くんが電話くれるなんて……
何かありましたか?」
まさか合宿の時に聖陵の備品がうちのと混ざっちゃったとか?
いや、合宿から帰ってすぐに確認したけど、それらしきものはなかったな…
…なんて考えながら、市原くんから発せられる言葉を待つ。
『…あの…
この土曜日とかって空いてたりします?』
しばらくの沈黙の後、意を決したようにそう言う市原くん。