君のとなりで恋をします。─下─
「ふふっ。
まさか過去の自分の発言に慰められるなんて、思ってもみなかったよ。」
そう笑う咲花の横顔は、数分前とは別人のように清々しい。
「ほんと…色々お騒がせしてごめんね。
あの時香純に偉そうなことを言った自分が、すごく恥ずかしいです…。」
「何言ってんの!
あの時の咲花の言葉は、私の一生涯の教訓なんだから!」
「やだ、やめてぇ〜!恥ずかしいよ。」
私たちの間には、数分前までのあのどこか気まずい雰囲気はなくて…
よかった。咲花ももういつも通りだ。
きっと、葵斗と話す覚悟が出来たんだよね。
咲花の気持ちがどうなのかとか、葵斗と咲花がこれからどうなっていくのかとか…
そんなの、私には分からないけど……
「咲花……。」
「ん?」
「私は、何があっても絶対咲花の味方だからね!」
私が笑うと、咲花も笑った。
「うんっ!」