君のとなりで恋をします。─下─
「…土曜日は午前練習だから、午後なら空いてるよ?
…どうして?」
なぜあの市原哲平が、私なんかの予定を聞くのだろうか。
『渡したいものがあるんすけど……
少しでいいので会えませんか?』
渡したいもの…
男の人と二人だけで会うのはな…
いや、でももしかしたら部活関連の事なのかも?
バスケ部のマネージャーとして行くべきか、柊吾の彼女として断るべきか…
私は迷って、隣に座る柊吾の方をちらりと見る。
すると柊吾は小さな声で「行っておいで」と言った。
んー……
…柊吾がそう言うなら……