君のとなりで恋をします。─下─
「咲花…世界で一番大好きです!
────…付き合ってください!!」
本当はもっとかっこいい言葉とか、咲花を好きな理由とか…
女の子は、そんな告白をされた方が嬉しいのかもしれないけど……
でも、これが俺の素直な気持ちだった。
頭を下げて手を差し出す俺の方に、彼女は一歩歩み寄る。
上履きと床の擦れるその音を聞いて俺が顔を上げると、自然と彼女と目が合った。
「ありがとう、葵ちゃん。
それと…修学旅行の後、避けてごめんね。」
眉を寄せ、目尻を下げてどこか申し訳なさそうに笑う彼女。
そんな彼女の表情に、俺はいよいよ覚悟を決めた。
振られたら、キッパリ諦める。
無理かもしれないけど…
いつかはちゃんと他の子を好きになって、咲花とは幼馴染みとしてやり直す。
そんな実現可能かも分からないような計画を脳内で立てる俺。
だけど、その後に続く咲花の言葉は、俺の予想とは少し違うもので……